6月に観た映画
6月1日
映画サービスデーということでハシゴ。
ヴァンパイア・イン・ブルックリン
エディ・マーフィ扮するヴァンパイアが一族の最後の生き残りの女性を探しに
ブルックリンに来て起こす騒動。
何かこんな風に書くとコメディみたいですね。
私も最初はエディ・マーフィ主演のヴァンパイアものということしか知らないで、
ホラーコメディに違いないと思って観ていたのですよ。
最初のずんずん船が進むシーンでも半分笑いながら観ていましたし、
エディがチンピラふたりを襲うシーンもニヤニヤしながら観ていましたし。
先入観というのは恐ろしいものです。コメディだと信じて観ていたせいで全然恐くない。
しばらくたってもエディはいつものマシンガントークを始めませんし、
高笑いもしません。もっぱら笑いは彼の手下の担当。
どうやらこれは真面目なホラー映画に違いないと思い始めたのです。
しかし、時、既に遅し。やっぱり恐くない。
サドン・デス ○
アイスホッケーが行われているドームで副大統領の貴賓室が占拠され、
娘がその貴賓室に連れていかれたヴァンダムが孤軍奮闘して、という話。
これは面白かったです。ダイ・ハード系の作品をよく研究して作られているという感じ。
小道具の使い方もいい。
終盤の何も考えていないとしか思えないヴァンダムの行動は「?」ですけど。
ヒート △
ロバート・デ・ニーロ扮する強盗団のボスと、
アル・パチーノ扮するそれを阻止しようとする警部の闘い。
ふたりの闘いは見応えありますし、
映画史上に残るという歌い文句の銃撃戦も見応えがあります。
しかし、とにかく長い。長すぎます。3本目だもん、眠気も襲ってきます(笑)。
群像ドラマにしたり三つ巴にしたり。もう少しふたりの闘いに絞って、
せめて後30分短くできなかったのかな?
6月2日
陽のあたる教室 ◎
仕方なく音楽教師となったホランド先生は生徒たちと触れ合ううちに、という話。
これはお薦めです。感動してしまいました。
考えてみれば、生徒がああなったり、生まれてきた子供がああだったり、
あざといといえばあざとい。でも素直に感動できました。
文部省特選で学生さんに薦めているようですが、
先生に観てもらいたいですね。
まあ、自分の抱える現実とのギャップに絶望的な気分になったり、
しらけたりするかも知れませんけどね。
中にはがんばろうという気になる先生もいるかも。
と、他人ごとのように書く(苦笑)。
6月8日
白い嵐 △
訓練船に乗った少年たちの成長物語。ホワイト・スコールに遭って、という実話。
最後はまあジーンときたんですけど、何か物足りない感じ。
実話にケチをつけても仕方ないんですが。
少年たちが団結する過程がいまひとつだからかな?
少年たちのキャラクター付けはうまくいってると思うのですが、
結局顔の区別が付きにくかったような気がします(苦笑)。
ホワイト・スコールのシーンは迫力満点でした。
6月9日
地方都市ならではのお徳な2本立て。
エースにおまかせ!
ご存じジム・キャリー扮するエース・ベンチュラがアフリカの部族の全滅を防ぐため、
盗まれた聖なる動物を探しまわるコメディ。
ジム・キャリーは「マスク」でファンになり、
ビデオで「エース・ベンチュラ」を観てさらに好きになり、
「Mr.ダマー」であまりのオバカぶりに開いた口がふさがらず。
で、本作なんですが、そこそこ面白いのですがいまひとつ乗り切れず。
劇場の観客の雰囲気に影響されました。ほとんど笑わないんだもん。
”シシカ”のひざまづきギャグのところだけだったなあ。
たぶん大半の客は「アンカーウーマン」を観に来てたんでしょうね。
冒頭の「クリフハンガー」はわかりやすいけど、
飛行機の中で「外に何かがいる」って、
何のパロディだか普通の人(私も普通の人ですが)にはわからないのでしょうか?
ひとりで気分をハイにしてビデオで見直すと、きっともっと笑えるに違いない。
アンカーウーマン △
ニュースキャスターを目指す女性が有能なディレクターを師匠に得て成功していく話。
その女性を演じるのはミシェル・ファイファー、
ディレクターはロバート・レッドフォード。
ミシェル・ファイファーはいい女ですよね。
顔の骨っぽい感じがいまひとつタイプではないんですけど。
ロバート・レッドフォード。こちらは万年青年って感じですよね。
元妻っていう女性(ケイト・ネリガン)が出てくるんですが、
おばはんって感じで違和感があるくらいです。実際はレッドフォードが58歳で、
ネリガンが45歳なんですけど。
話の方は、ファイファーの成長とともに、
ふたりの関係の変化が巧みに描かれていると思いました。
トントン拍子に出世し過ぎのきらいはありますけど。
途中、「あなたがいなければ生きていけないの」みたいな感じになりかけて、
これじゃ自立を描いた話とは言えないのではないかと思いかけましたが、
それは過程に過ぎず。ちゃんと続きがあって納得。
でも最後はお涙頂戴になってしまって残念。
ああいう結末にする必要はあったのかな?
といいつつ目頭が熱くなってしまいましたけど(苦笑)。
脳天気なアメリカ式ハッピーエンドじゃつまらないと思ったのでしょうね
(ネタばらしちゃってるかなあ?)。
6月15日
ゲット・ショーティ △
映画オタクの集金屋がひょんなことから映画プロデューサーから集金することになり、
映画を作ろうと奔走するコメディ。
映画好きからは絶賛されそうな映画。リトマス試験紙というか。
でも一般受けはしそうにないですね。映画館では全く笑い声が起こりませんでした。
コメディだと気がつかなかった人もいるんじゃないかな?
何度も見ると味が出てきそうな感じではあります。
ストレンジャー △
美貌の精神科医が見知らぬ男と出会ってから起きる不可解な出来事の数々。
精神科医がたどりつく衝撃の真相とは、というミステリもの。
「あなたの推理はきっと当たらない」というキャッチコピーなのですが、
推理小説を少しでも真面目に読んだことがある人なら「当たってしまう」
でしょうね。適度に複雑ですし、
意外な真相への伏線もちゃんと張ってあるので良心的。
ミステリ好きの人はキャッチコピーに挑戦して下さい。
きっとあなたの勝ちです。
6月22日
フロム・ダスク・ティル・ドーン △
凶悪犯の兄弟がキャンピングカーに乗った家族を人質に取って転がりこんだ酒場。
そこは...という話。
脚本・出演クエンティン・タランティーノ、
監督は「デスペラード」のロバート・ロドリゲス。
ということでノリのよい暴力的な映画です。
でも、前半と後半でノリは同じなんだけど別の映画になっています。
いろんなところで紹介されているので、わざわざ隠すこともないんですが、
知らなければあの展開はかなり意外だったはず
(私は知っていたので....)。どうしてそうなっちゃうの?って感じです。
タラちゃん、
酒場のシーンまで書いて煮詰まっちゃって、
そこで閃いて勢いで書きあげちゃったんでしょうか?
それとも大殺戮シーンをやりたかったけれど、
普通にやったのではさすがに問題があるからあんな風にしたのかなあ?
凶悪犯と人質家族の葛藤の話を最後まで観たかったような気もします。
ちなみにアメリカではR指定だったようです。日本では?
6月29日
ウエスタン・リーグの試合を見に行ったんですけど、
グランドコンディション不良で中止。そこで予定通り....
12モンキーズ ○
人類を滅亡の危機に追い込んだ細菌。
その謎の鍵を握る12モンキーズを追って、
ひとりの男が過去へのタイムトリップをする話。
テリー・ギリアム監督作品で観たことがあるのは「バンデットQ」、
カルト的人気のある「未来世紀ブラジル」そして「フィッシャーキング」。
どの作品も異様に美術に凝っていて我々を異世界に運んでくれます。
この作品もそうで、
この作品は違うんだという雰囲気が冒頭からビンビン伝わってきます。
2035年の地下世界、1990年の精神病院、
1996年の世紀末的世界。
過去へのタイムトリップをする男に「ダイ・ハードマン」ブルース・ウィリス。
一時期、
何をやっても「ジョン・マクレーン」になってしまう大根役者みたいに
言われていましたが(言われてない?)、
「パルプフィクション」あたりからいい味を出すようになってきました。
この作品でも狂暴だけど脆く繊細な神経を持つ男を好演していると思います。
そして今や人気絶頂のブラッド・ピット。
謎の鍵を握る精神病患者を演じているんですが、これがすごくハマっているんです。
きっとこの役を楽しんでやったんでしょうね。
話の方も単純ではなくて、見終った後も疑問点が残り、二度三度観たくなる感じです。
少なくともビデオになった時、必ずもう一度は見るつもり。オススメですね。